民泊.hub in 九州の新ブログシリーズ:私たちが見てきた『成功する人・つまづく人』

民泊.hubでは、これまで数多くのオーナー様と共に宿づくりに携わってきました。
その中で、私たちがずっと感じていることがあります。
それは「民泊の成功は、仕組みや設備よりも“人間関係”で決まる」ということです。

どんなに立派な物件でも、オーナーと運営チームが噛み合わなければ長く続きません。
逆に、互いを尊重し合える関係が築けていれば、小さなトラブルが起きても前向きに乗り越えられるんです。

今回から始まる新連載「民泊オーナー診断」では、これまで実際に現場で見てきた“成功する人・つまずく人”の違いを、私たちのリアルな経験をもとにお伝えしていきます。

オーナーを評価するというより、「一緒に成長できる関係とは何か?」を考えるための連載です。


では、第1回のテーマは、最も多くの現場で感じてきたこのテーマ――
「丸投げ型」と「伴走型」オーナーの違いです。

― 任せると、放り投げるは全く違う ―

民泊の運営をサポートしていると、本当にさまざまなタイプのオーナーさんに出会います。
物件の規模も、エリアも、考え方も十人十色。けれど、私たちが長く関わってきた中で気づいたのは、安定して成功している人には、ある共通点があるということです。

それは「代行会社に丸投げしない」という姿勢です。

ここでいう“丸投げしない”というのは、「すべて自分でやる」という意味ではありません。
むしろ、信頼して任せるからこそ、必要な部分では一緒に考え、情報を共有し、責任を分かち合うということです。

一方で、“丸投げ”タイプのオーナーさんは、業務を完全に外に出すことで「自分の宿」への意識が薄れてしまう傾向があります。
「そっちで勝手にやっといて」「全部お任せします」と言われると、一見スムーズに感じるかもしれませんが、
実際には、判断が止まり、対応が遅れ、結果的に宿全体の信頼が下がるケースが多いんです。

もちろん、これは私たち民泊代行会社にとっても腕の見せ所です。
どこまで踏み込んでサポートできるか、どれだけ現場を理解して提案できるか――。
その“間”を見極めながら、オーナー様と最適な距離感を築くことが、私たちの仕事の本質でもあります。

一方で、“丸投げ”タイプのオーナーさんは、業務を完全に外に出すことで「自分の宿」への意識が薄れてしまう傾向があります。
「そっちで勝手にやっといて」「全部お任せします」と言われると、一見スムーズに感じるかもしれませんが、
実際には、判断が止まり、対応が遅れ、結果的に宿全体の信頼が下がるケースが多いんです。

民泊運営は、想像以上に“チームプレー”です。
予約対応や清掃の裏には、常に人が動いています。
だからこそ、オーナー自身が「一緒に運営を作っている」という意識を持てるかどうかが、結果を大きく左右します。

「任せる」というのは信頼の形。
「放り投げる」というのは責任の放棄
この二つは、言葉こそ似ていても、宿の未来をまったく違う方向へ導いてしまうのです。


■ “丸投げ型”オーナーの特徴

「全部そっちでやっといて」と言われるケースがあります。
もちろん、代行業者としてはその言葉の裏にある“信頼”に応えたい
でも、現場ではオーナーの最終判断がないと動けない場面が意外と多いのです。

たとえば、エアコンや給湯器などの設備が急に故障した場合
ゲストが滞在中であれば、すぐに修理手配をしなければなりません。
ただし、修理費や交換費用の上限、緊急対応の範囲などは、オーナーの判断なしには進められないことが多いんです。

「任せてるから勝手にやっていい」と言われても、
その判断を誤れば、数万円単位の損失につながることもあります。
結果的に、対応が遅れ、ゲストの不満や低評価レビューにつながるケースも。

これがいわゆる“丸投げ型”のリスクです。
責任の所在が曖昧になると、どんなに優秀な代行会社でも、宿の品質と信頼を守り続けることはできません。

そこからほころびが生じ、リピーターが減り


■ “伴走型”オーナーの姿勢

一方で、長く安定して成功しているオーナー様ほど、「一緒に考える」「一緒に育てる」という姿勢を持っています。

代行業者を“外注先”ではなく、同じゴールを目指すパートナーとして捉えています。
たとえば、宿の課題が見つかったときも「任せきり」ではなく、「どうすればもっと良くなるか」を一緒に考え、前向きに関わってくれます。

実際、私たちが佐賀県で管理しているオーナー様の中に、毎月、清掃スタッフ全員へ手書きのメッセージを送ってくださる方がいます。
「いつもありがとうございます。おかげでゲストの笑顔が増えています。」
――そんな一言が、現場の士気を何倍にも高めてくれるのです。

この“感謝の連鎖”は、やがて宿全体の空気を変え、清掃品質やレビュー評価の向上にもつながっています。

私たちはそうしたオーナー様と出会うたび、民泊運営とは「収益のための仕組みづくり」ではなく、
人と人が信頼を重ね、ひとつの宿を共に育てていく営みだと実感します。

大きな成功は、こうした小さな積み重ねの先にしか生まれません。
そして、その積み重ねこそが、宿の安定運営と長期的な信頼を育てていくのです。


■ 民泊運営は「人と人の関係」

民泊運営は、物件や設備だけで成り立つものではありません。
予約も、清掃も、ゲスト対応も、行政手続きも――
そのすべての裏側には、誰かの想いと努力があります。

つまり、民泊とは“人がつなぐ仕事”なのです。

だからこそ、「代行に任せる」というのは“手放す”ことではなく、信頼して、一緒に動く覚悟を持つということ。

「任せる」は信頼を生み、「放り投げる」は責任を手放す。
――たったそれだけの違いが、宿の未来をまったく別の方向へ導いてしまいます。

私たちは、オーナー様と同じゴールを見つめ、同じ歩幅で進む存在でありたい。
だからこそ、契約前の面談では“お互いを知る”ことに何より時間をかけています。

どんな想いで民泊を始めようとしているのか。
この宿に、どんな未来を描いているのか。
そして、私たちを「外注先」として見るのか、「共に創る仲間」として見るのか。

もし、後者でないと感じた場合、たとえ利益が見込める案件でも、お断りすることがあります。

なぜなら――
信頼のない民泊運営に、成功はありえないからです。

民泊の運営は“委託”ではなく、“共創”。
オーナーと私たちが対等に支え合い、互いの責任と誇りを分かち合う関係。

それこそが、「民泊.hub in 九州」が理想とする、
“人の温度で動く民泊運営”のかたちです。

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M.master
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