失敗するオーナーの共通点「設計が甘い」

「運営が大変だった」「代行が悪かった」
民泊がうまくいかなかった理由として、よく聞く言葉です。
ですが実際には、運営そのものが失敗原因になるケースは少数です。

民泊は、始めてから何とかするビジネスではありません。
立地、物件、初期投資、想定売上、コスト、出口。
これらをどう設計したかで、結果の大半は決まります。

運営は、その設計をなぞっているだけ。
設計が甘ければ、運営は苦しくなり、
設計が弱ければ、値下げ以外の選択肢がなくなります。

つまり、
民泊で起きている多くの「失敗」は、運営の問題ではなく、最初の設計ミスなのです。

私たちは民泊のセカンドオピニオンサービスを行っています。
そのオーナーの中には一番最初にやるべき設計のミスにより結局閉業された方もいらっしゃいました。

そのようなオーナーにならない為にのコツを今回はお話しします。

設計が甘いオーナーの共通点

設計が甘いオーナーの民泊には、はっきりした共通点があります。

・とりあえず始めている
・売上だけを見ている
・経費の把握ができていない
・最悪のケースを考えていない

民泊は、修正コストが高い事業です。
立地は変えられず、間取りも簡単には直せません。
初期費用も、後から取り戻すのは難しい。

それにもかかわらず、「走りながら考える」「出してから調整する」
この姿勢で始めると、赤字構造を固定化します。

設計が甘い民泊ほど、後から運営で帳尻を合わせようとします。
ですがそれは、無理を重ねて消耗するだけです。

例:数値を全く把握していなかったオーナー

「民泊の運営代行が撤退するので引き継いでほしい。

このような依頼で始まった民泊セカンドオピニオンサービス。
オーナーは3年目を迎えるにあたり、民泊運営代行会社から撤退するとの旨を伝えられたとのことでした。

この物件は「完全運営代行」で運営されており、もともと保養所としてつくられたものを民泊に転用していました。
一時期流行った「古民家リフォーム」を行った物件でした。

一棟貸の平屋で、海の近く。
リゾートとしてはいいかもしれませんが、周辺にスーパーやコンビニもなく、もちろん公共交通機関はほとんどありませんでした。

この時点で私たちは運営を引き継ぐことに躊躇していましたが、
受けた依頼のためどうにかして改善したいと思っていました。

「手残りって何パーセントぐらいですか?」
そう私が聞いた時、オーナーは

「大体半分ぐらい」
とおっしゃいました。

この時私たちは違和感しかありませんでした。
民泊をすでにやっているオーナーさんは理解できると思いますが「完全運営代行で50%」は運営会社の運営の賜物です。
「完全運営代行」の場合の粗利率は普通は10~20%。良くて25~30%というところだと思います。

嫌な直感は当たりました。

この物件は一年間の売り上げが500万円、粗利額は90万円でした。粗利率は20%を切っていました。

そう、オーナーは「何となく半分は残っているだろう」という認識だったのです。
話を聞くと、運営会社から送金をされた金額でしか把握しておらず、実際私に言われてはじめて計算したとのことでした。
数字を把握せず、運営会社に丸投げした結果です。

この物件には3000万円程度かけたらしく、単純計算で回収まで残り27年程度かかる予定のようでした。

このようなオーナーの場合、のちのトラブルが多い為、運営はお断りしました。

これが、設計が甘いオーナーの末路です。

失敗しないための3つの原則

設計が甘い民泊に陥らないために、最低限守るべき原則は3つです。

① 他責にしない
結果は、必ず自分の設計の反映です。
誰かのせいにした瞬間、改善は止まります。

② 必ず自分で設計書を作る
完璧でなくていい。
想定売上、コスト、最低利益、撤退ライン。
これを自分の頭で書き出さない民泊は、設計放棄です。

③ わからないところはプロに相談する
考えるのは自分。
確認と補正はプロ。
この役割分担が、民泊を壊さないポイントです。

もちろん私たちはオーナーが目指す民泊づくりを応援します。

民泊は努力より「設計力」で決まる

民泊は、頑張った人が報われる事業ではありません。
考え抜いた人が、静かに残る事業です。

とは言っていますが、最初の設計だけ間違わなければたいていうまくいきます。

運営が苦しいと感じたら、自分を責める必要はありません。
見直すべきは、日々の作業ではなく、最初に描いた設計そのものです。

他責にせず、自分で設計し、
必要なところはプロに頼る。

この姿勢があるかどうかで、民泊は「消耗する副業」にも
「続けられる不動産事業」にもなります。

答えは、ほとんどの場合、設計書の中にあります。

もちろん私たちプロはその点も踏まえて適切なアドバイスに努めています。

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