第10回 民泊プロデュースの本質|“人が泊まる場所”から“人が集う場所”へ

ただの宿泊施設から人の集う場所へ

こんにちは。民泊.hub in 九州のカズマです。

これまで9回にわたり、民泊を成功させるための運営ノウハウや現場でのリアルをお届けしてきました。
最終回のテーマは、私たちが最も大切にしている考え方――
「民泊とは、人が泊まる場所ではなく、人が集う場所である」ということです。


Ⅰ.宿泊ビジネスから“場づくり”ビジネスへ

民泊のスタートは「空き家の活用」や「副収入の確保」から始まることが多いですが、
長く続く宿になるかどうかを分けるのは、**“目的の変化”**です。

つまり、

「空間を貸す」から「時間と体験を共有する」へ。

たとえば、宿の中で地域の作家が作品を展示していたり、
地元のパン屋さんの朝食を提供していたり、
季節ごとに地元イベントと連動したプランを出している民泊も増えています。

こうした宿には、“地域と宿泊がつながるストーリー”が生まれます。
宿そのものが“まちのコミュニティ”の一部になることで、
ゲストはただの旅行者ではなく、「地域の一員」として滞在する体験ができるのです。

一戸建て民泊 福岡県太宰府市

Ⅱ.「一戸建て民泊」のススメ

私たち民泊.hub in 九州が推奨しているのは、一戸建て型の民泊です。
それは単に運営がしやすいという理由ではなく、「人と家と地域を救う仕組み」だからです。

今、全国で「使われなくなった古家」「誰も住まなくなった実家」が増えています。
それらはかつて人の思い出が詰まった大切な場所。
しかし、維持費や固定資産税の負担、解体コストなどの理由で、
多くの家が静かにその役目を終えようとしています。

私たちは、そうした家を「再び人が集う場所”に生まれ変わらせること」が、
民泊プロデュースの本質だと考えています。

一戸建て民泊として再生することで、

  • 家の記憶を残しながら新しい価値を生む
  • 地域に新しい交流をもたらす
  • オーナー自身が誇れる資産として維持できる

といった“3つの再生”が実現できます。

つまり、一戸建て民泊は「古家や実家を救う社会的な仕組み」なのです。
その信念のもと、【民泊.hub i n 九州】は民泊をプロデュースしています。


Ⅲ.プロデュースの本質は「仕組み」より「理念」

これまでの回で紹介してきたように、
スマートロックやIoT、PMSなどの“仕組み”は、確かに運営を効率化します。

しかし、宿が本当に支持され続けるかどうかを決めるのは、
「理念」と「人の想い」です。

オーナーの価値観や人生観がにじみ出ている宿は、
どんなに小さくても、強いブランド力を持ちます。

私たちが現場で民泊をプロデュースする際に一番大切にしているのは、
「どんな人に、どんな時間を過ごしてほしいのか?」を一緒に考えることです。
その答えが、デザイン・導線・サービスのすべてに反映されていきます。

だからこそ、私たちはオーナー様との対話を通し、オーナー様ができうる限り納得できる民泊プロデュースを心がけています。

女子が集う 民泊 九州

Ⅳ.“泊まる”から“集う”へ

今、民泊は“次のフェーズ”に入っています。
価格競争の時代から「価値共創」の時代へ変わってきています。

そこでは、「誰が泊まるか」よりも、
「どんな人たちが、この場所でどんな時間を共有するか」が問われます。

民泊.hub in 九州では、宿泊施設を単なる「宿」ではなく、
「人が集う拠点=コミュニティスペース」としてプロデュースしています。

“空き家を宿に変える”のではなく、
“空き家を未来のつながりに変える”

これこそが、私たちが考える「民泊プロデュースの本質」です。


まとめ

民泊を通して人が出会い、
地域が元気になり、
新しい価値が生まれていく。

その中心にあるのは、最新テクノロジーでも立派な建物でもなく、
「人の想い」と「つながりの場」です。

宿を通じて誰かの人生が少し豊かになる――
そんな宿を、これからも九州から増やしていきたいと思います。

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M.master
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