
第6回|民泊集客のカギは掲載サイトと写真!予約率を高める実践ガイド
はじめに|「掲載するだけ」では予約は入らない
「民泊を始めたけれど、全然予約が入らない」「写真は載せているのに、反応がない」 そんな声を、実際の相談現場で頻繁に耳にします。
一生懸命準備して物件を整えても、掲載するサイトや見せ方を誤ると、検索結果にすら出てこず、存在すら知られないということも珍しくありません。
民泊において集客を左右するのは、「どこに載せるか」と「どう見せるか」。
この記事では、民泊運営に必要な“集客導線”として、宿泊予約サイト(OTAサイト)の選び方と予約を引き寄せる写真の撮り方について、具体例と対策を交えて解説します。

掲載サイトの選び方|Airbnbだけじゃない!
民泊を宿泊予約サイトに登録するためには、運営の許可が下りていることが前提となります。 実際に「申請〜掲載まで」には、以下のようなステップと期間がかかります。
✅ 掲載までの基本的な流れと期間の目安:
- 許可取得完了(住宅宿泊事業・旅館業法):申請〜取得まで30日〜2か月
住宅宿泊事業は約3週間~1カ月程度、旅館業法(簡易宿所)は2~3カ月程度で営業許可となる事例が多い。 - 掲載サイトへのホスト登録:アカウント作成と本人確認(即日〜1ヶ月)
AirbnbやBooking.comは届出や許可が下りている物件に関しては即日ホスト登録できる。
楽天Oyadoなど国内のOTAサイトは2週間~1ヶ月程度掲載まで時間がかかることがある。 - 物件情報の入力と写真登録:1〜3日(外注撮影を含むと+1週間)
自分で行うと費用は掛からず手間だけで撮影可能であるが、掲載する写真は明度や構図等の調整が必要であったりするためプロや専門業者に頼むほうが良い。 - サイト側の審査・承認:1日〜1週間程度
▶ 全体で約1週間〜2週間で掲載可能ですが、許可が下りるまでの時間が最も長くなるポイントです。
民泊宿泊予約サイトは複数あり、それぞれターゲットや手数料、使い勝手が異なります。
今回は代表的な3つのサイトをご紹介します。
■ 代表的な宿泊予約サイトと特徴:
サイト名 | 特徴 | 手数料 |
Airbnb | 世界中の旅行者に人気。写真とレビュー重視 | 約3〜15% |
Booking.com | 国内外ビジネス利用にも対応。翻訳・サポート充実 | 約15% |
Rakuten Oyado | 日本人利用者多め。楽天経済圏との親和性高い | 約3% |
▶ 自分の民泊に合うサイトを見極めて、2〜3サイトに同時掲載するのがおすすめです。
写真が命|予約率を高める民泊写真のポイント
民泊の検索ページでは、まず目に飛び込んでくるのが“写真”です。 特にスマートフォンでの検索が主流になっている今、第一印象は画像で決まります。
どんなに立地が良くても、写真が暗くて狭そうだったり、生活感が強すぎると、それだけで候補から外れてしまいます。
逆に、明るく清潔感のある写真は「実際に泊まってみたい」と思わせる大きな武器になります。 集客に直結する写真の撮り方は、運営者として必ず押さえておきたいポイントです。
■写真撮影の基本ポイント:
- 明るい自然光で撮影(朝〜昼がベスト)
- 広角レンズを使用して部屋を広く見せる(iPhoneやスマホにも広角撮影モードがついている機種も多い)
- 生活感を消して、清潔感を強調
- 観葉植物やアートで“ちょっと映える”演出
▶ 外注も可能(プロ撮影:1万円〜2万円程度) ▶ Airbnb写真ガイド も参照しましょう

よくある失敗例と改善策
「自分では“ちゃんと撮った”つもりでも、実際の見え方は全然違う」——そんなギャップが、予約を遠ざけていることも。
写真は“空間の体験を先取りするツール”です。 実際に宿泊する前に「ここなら安心して過ごせそう」と思わせる演出がなければ、どれほど立地や設備が良くても選ばれません。
以下はよくあるNG例と、それに対する改善策です。
■写真の失敗例と改善ポイント:
- ❌ カーテンを閉めて撮っていて暗い印象に…
- ❌ 枕や布団がぐしゃぐしゃのまま撮影
- ❌ トイレや洗面所を載せていない(安心感に欠ける)
■改善するには:
- 実際の宿泊導線に沿って、使いやすさが伝わる構図にする
- 見せたいポイント(ベッドの広さ、風呂場の清潔感)を意識
- 家具や小物の配置を整えて“モデルルーム感”を出す
撮ったあとも安心|おすすめ画像編集ツール
民泊施設の魅力を最大限に伝えるためには、写真のクオリティが非常に重要です。
しかし、撮影時には気づかなかった不要物の写り込みや、光量不足による暗い印象の写真になってしまうこともあります。
そんなときでも、優秀な画像編集ツールを活用することで、手軽にクオリティを向上させることが可能です。
ここでは、プロの現場でも使われる編集ツールから、初心者でも扱いやすい無料ツールまで、目的別に紹介します
■便利な無料ツール例:
●Canva: 民泊施設紹介用素材を簡単に作成したい人に最適
・明るさ・コントラスト調整、簡易レタッチが可能
・オンライン上で使える直感型デザインツール
・明るさ・コントラスト・彩度の調整はもちろん、トリミングやリサイズもワンクリックで可能。
・テンプレートも豊富で、SNS用バナーや物件紹介チラシなども作成できる。
・無料版でも基本的な画像補正は十分対応可能。
●Photoshop:Adobeが提供する写真などを編集する本格派編集ツール
・世界中のプロカメラマンやデザイナーが愛用する、高機能画像編集ソフト。
・明るさ・彩度調整、色味補正、レタッチ(不要物消去)などの高度な加工が可能。
・レイヤー機能により、複雑なデザイン編集も自在。
・有料(月額プラン制)だが、民泊施設のブランディング用ビジュアル制作にも威力を発揮。
●Remove.bg:「物件だけをきれいに切り抜きたい」「背景をシンプルな色に変えたい」時に重宝。
・明るさとコントラスト調整:明るすぎず、暗すぎない自然なトーンを心がけましょう。
・水平補正:室内写真では、床や天井のラインが水平になるよう微調整するだけで印象が大きく変わります。
・不要物の除去:掃除道具、電源コード、生活感が出すぎるアイテムはPhotoshopなどで自然に消しましょう。
これらのツールを使えば、簡単な修正やトリミング、補正もオンライン上で完結します。

まとめ|集客の8割は「掲載と写真」で決まる
民泊の集客は、戦略的に選んだ宿泊予約サイトと、目を引く写真のセットで決まります。
「立地が良くない」「部屋が狭い」場合でも、見せ方次第で予約は入ります。
本記事で紹介した宿泊予約サイト選びと写真の改善策を参考に、あなたの物件をもっと魅力的に見せていきましょう。
次回は、実際に宿泊者とのやりとりで重要な「予約〜チェックイン対応」について詳しくお届けします。
次回:「宿泊者対応の基本|予約・メッセージ・チェックインの流れ」
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