
新連載!|民泊プロデュースの現場から ~成功と失敗から学ぶリアルQ&A~
みなさんこんにちは、MAHOです!
今回のブログからから、「民泊プロデュースの現場から~リアルな本音とQ&A~」と題して、実際に私たちが手がけてきた民泊運営の裏側、そして現場でよく聞かれる質問を“本音ベース”でお届けします。
・民泊って簡単に始められるって聞いたけど、実際どうなの?
・物件の選び方、ホントのところは?
・民泊を始めるときに。、実際どんな問題が発生してるの?
などなど、きれいごとだけじゃない、民泊プロデュースを行う立場からのホストの成功例や失敗例をまとめていきたいと思います。
これから民泊を始めようとしている方も、すでに運営中だけどモヤモヤを感じている方も、「あ、これ自分にも当てはまるかも」と感じてもらえる内容があるはずです。
では、プロデュース現場からお届けするホントの話、始めましょう。

第1回|民泊やってみたい人が最初に聞く質問「物件ありますか?」へのリアルな答え
はじめに|民泊のお問い合わせで一番多いのは「物件ないですか?」
まず初めに、私達「民泊.hub in 九州」は九州エリアで民泊開業や運営支援を行っています。
ひと月に結構な数のお問い合わせをいただくのですが、その中でも多いのが
「物件を紹介してほしい」
というお問い合わせです。実際にあったお問い合わせの一例です。
「民泊を始めたいのですが、博多駅近くのマンションって紹介してもらえますか?」
「天神駅近くの民泊可物件を紹介してくれませんか?」
──民泊相談で最も多いこの質問。回答に困ることもしばしばあります。
なぜなら、都心部で、これから開業できる民泊可物件はほとんど存在しないからです。
今回は、民泊を検討するうえで最初につまずきやすい「物件探し」について、リアルな現場の視点から解説します。

例1:博多駅近くのマンションでの民泊をお勧めしない理由とは?
まず、「立地さえよければ稼げる」と思っていませんか?
たしかに、駅チカ・繁華街は需要が高いです。
しかし、そもそも物件がありません。
また、民泊には旅館業法や住宅宿泊事業法(民泊新法)の規制があり、マンションでの運営は極めて難しいのが現状です。
では、実際にどのような規制があるのかを少しだけ以下に記載します。
ハードル1:管理規約の制限
分譲マンションや賃貸物件の多くは、民泊を禁止する管理規約を定めています。
たとえ旅館業法の許可や住宅宿泊事業の届出ができても、管理組合の同意が得られなければ運営はできません。
ハードル2:法律的な問題
「旅館業法」や「住宅宿泊事業法(民泊新法)」により、民泊を行えるエリアや条件が厳しく制限されているケースがあります。
自治体ごとに独自のルールがあるため、「やりたいと思った場所ではできない」ことも多いのが実情です
ハードル2:騒音・ゴミ・不審者問題
民泊では不特定多数の人が建物に出入りします。
その結果、「騒音・ゴミの放置・セキュリティ不安」などの問題が起こりやすく、近隣住民の理解や協力が不可欠です。
都市部では特にこうした懸念から、民泊への反対が強く、オーナー側も非常に慎重です。
このように、「民泊ができる物件」を探すのは簡単なことではありません。
でも、だからこそ私たちが現場でどうプロデュースしているのか、そのリアルな実情を知っていただきたいんです。
では、「実際に開業可能な物件ってどこにあるの?」「どうやって探せばいいの?」といった点も踏まえて、もっと具体的なステップをご紹介します。

では、どこなら民泊ができる?物件の探し方の現実
「マンションが難しいなら、どこで民泊を始めればいいんですか?」
これもよく聞かれる質問です。
ここからは、現場のプロが実際に使っているリアルな手段を3つの選択肢としてご紹介します。
1:住宅宿泊事業届出済み物件を探す
例えば福岡県では住宅宿泊事業の届出情報が公開されています。
これはどの都道府県でも公開情報として掲載されていることが多いです。自分が民泊を行いたいエリアの都道府県のHPを探してみましょう。
すでに届出がされているということは、最低限の法的ハードルはクリア済み。
もしくは掲載されているエリアであれば民泊の需要がある。という事もリサーチできます。
あとは「誰が運営しているのか」「購入可能か or 賃貸か」を調べ、現地確認や仲介業者に相談する流れがおすすめです。
2:民泊可能物件を専門に扱う業者サイトを活用
一般的な不動産サイトでは、「民泊OK」とはほとんど明記されていません。
しかし、民泊用物件に特化したポータルサイトなら、以下のような条件で検索可能です:
掲載されている物件には、すでに民泊運営中の物件の売買や、オーナーチェンジ型もあるため、スタートがスムーズです。
3:一軒家・アパート1棟貸しを検討する
民泊初心者にとって、実は一番現実的で成功しやすいのが「戸建て」や「一棟アパート」です。
- 管理規約がない/自主管理で完結
- 用途地域の条件を満たせば旅館業取得も可能
- 地方では取得費用が安く、リフォーム次第で差別化しやすい
実例:福岡県糸島市の場合
築古戸建て(木造2階建て)を500万円で購入し、リフォーム費用約250万円で民泊化。
用途地域は「無指定」、近隣住民と直接調整し、旅館業取得がスムーズに完了。
→ 平均宿泊単価11,000円/月稼働率約65%で黒字運営中
特に地方では、空き家を活用した民泊も増えています。空き家を活用した民泊は、客層次第では高利回りな物件に生まれ変わることもありおススメです!

初心者が勘違いしやすいポイントとプロの視点
このように、よくある質問に対して、プロの視点ではこう答えます。
質問:「博多駅近くのマンションで民泊できますか?」
プロの回答:「できる物件はほぼ存在しません。仮にあっても、価格が高く利回りが合わないか、民泊禁止規約がある可能性大です。」
質問:「空き家を買えばすぐ始められますか?」
プロの回答:「物件取得後も、地域ルール・消防設備・用途地域などを確認する必要があります。でも、対策次第でクリア可能です。」
物件選びは夢だけでなく、法規制・地域性を踏まえた“戦略”が必要です。
まとめ|民泊物件探しは理想から現実へ、そして行動へ
民泊を始めたい──その想いは本当に素晴らしいです。
でも、第一声が「どこかにいい物件ありますか?」だと、スタートラインにすら立てないまま終わってしまう可能性があります。
だからこそ大切なのは、
「どこでやるか」より、「どうやって成立させるか」という視点です。
- 地域の制度を理解し
- データと実例に基づいた選択をし
- 自分に合ったスタイルで運営を始める
このステップが、民泊を“夢”から“現実”に変える第一歩になります。
現実的な物件選びを理解し、自分にできるスタイルから始めていきましょう。
次回は、民泊運営のリアルに欠かせない「備品・家具の選び方と揃え方」について、実例とともにお伝えします。
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