民泊の教科書

民泊開業者・検討者向けブログ「民泊の教科書」第一回

みなさんこんにちは。
「民泊.hub in 九州」のコーディネイターのMahoです!

私は普段、金融関係のお仕事をやりつつ、当コミュニティーのコーディネイターとして民泊開業を検討しているオーナー希望の方々と接しています。もし、当サービスをご利用していただけるのであればお目にかかることがあるかもしれません。その時はよろしくお願いします。

先日発信したおしらせは目を通してくれましたか?

今回の管理体制の変更で、新しい仲間ができたので、新しいテーマで再度ブログをはじめようと思います。

今回からは私が「ゼロから始める民泊の教科書」として、民泊を始めるうえでの心構えや、民泊の始め方などを再度ご紹介していきたいと思います。

それでは、早速始めましょう。

旅行

第1回|なぜ今、民泊なのか?はじめる前に考えたいこと

最近、近所のマンションでスーツケースを引いた外国人観光客を見かけることが増えました。 「ここって普通の賃貸じゃないの?」と思っていたら、実は民泊だった——そんな場面から、
“民泊”という言葉に興味を持った方も多いのではないでしょうか。

さらに、SNSやYouTubeなどでは「マンション1室を借りて民泊にすれば月に数十万円の副収入が!」という声も多く見られます。現に、副業や空き家活用を目的として、民泊を検討し、実際に始めたいと考える人は年々増加傾向にあります。

一方で、始めてみたものの「思ったより大変だった」「手間がかかる割に利益が出ない」と感じて撤退する方も少なくありません。

そんな声を聞くたびに、私たちは“始める前に立ち止まること”の大切さを感じています。

「民泊、ちょっと興味があるんです」

「どんな人に、どんなふうに使ってほしいと考えていますか?」

民泊は“空き家活用”や“副収入”というキーワードだけでは語りきれない、非常に人間的な営みです。実際の運営現場では、掃除・チェックイン・設備管理といった日々の対応はもちろん、ゲストの背景に思いを巡らせる時間も含めて「暮らしの中での接客業」と言えるでしょう。

この第1回では、これから民泊を始めたいと考えている方に向けて、始める前に立ち止まって考えたい3つの視点をご紹介します。

ネットやSNSで調べてみたものの、「法律が3種類ある?」「備品リストはどこまで必要?」「そもそも登録ってどうするの?」と、情報があふれすぎて、何をどうすればいいかわからなくなる方も多いはずです。

そんな“情報迷子”になりがちな初心者の方が、順序立てて考えを整理できるよう、民泊を検討する際は、まずは3つの視点から一緒に確認していきましょう。


視点1:なぜあなたは民泊をやりたいのか?

実際、日本国内では住宅宿泊事業(いわゆる"民泊")の届け出件数は年々増加していますが、廃止件数も決して少なくありません。国土交通省のデータによると、住宅宿泊事業の届け出数は2024年時点で約34,000件にのぼり、一方で廃止届け出も累計で10,000件を超えています(出典:国土交通省 観光庁 民泊制度ポータルサイト)

つまり、およそ3〜4件に1件は何らかの理由で廃業している計算になります。

この数字からも分かるように、「やってみたけれど思っていたより大変だった」というケースは少なくありません。副収入目的で始めた方が、「想像以上に手間がかかる」と感じて辞めてしまうケースも少なくありません。逆に「空き家が生きているのを見るのが嬉しい」というモチベーションで継続している方もいます。

あなたにとって、民泊は“仕事”ですか?“趣味”ですか? この問いをはっきりさせておくと、準備段階での優先順位が大きく変わります。


視点2:どんな人に泊まってほしいか?

民泊は「不特定多数のゲストを迎える」という点で、賃貸とはまったく異なります。

誰に泊まってほしいかを具体的にイメージできると、内装や備品の準備もブレません。たとえば:

  • 海外からの旅行者:                                                   日本文化に触れたいという想いで来日し、観光地めぐりやローカル体験を楽しみにしています。日本語が通じず不安を抱えている方も多く、案内表示やチェックインのわかりやすさが重要です。
  • 子連れファミリー:                                                   小さなお子さんを連れた家族旅行では、階段の安全性やベビー用品の有無、洗濯機やキッチンなどの生活設備が安心感につながります。
  • テレワーク滞在者
    数日〜1週間ほどのビジネス滞在で、静かな環境と高速Wi-Fi、オンライン会議に適した机や椅子を求めています。周辺にコンビニや飲食店があることも選ばれるポイントになります。

このように、ターゲットとなるゲストの背景を想像することで、部屋づくりや設備投資がぶれずに済みます。

「全部用意すればいい」というのは現実的ではありません。“誰のための宿か”を決めることが、結果的に準備を楽にするのです。実施に民泊を検討する上で、かなり大事な要素となります。


視点3:自分ひとりでできるか?誰かと組むか?

民泊は、初期投資よりも“運営力”が成果を左右します。特に、1人で運営する場合は時間と体力の管理がカギになります。

たとえば、ゲストのチェックインが深夜になる場合、鍵の受け渡し方法はどうするか? チェックアウト後の清掃は毎回誰が担当するのか? レビューへの返信は英語対応も含めてできるのか?

こうした日常的な業務をすべて自分で担おうとすると、予想以上に大きな負担になります。

実際、

  • 平日は本業があるため、清掃は外注している方
  • 地方在住で都心の物件を運営しているため、運営代行と連携している方
  • 家族やパートナーと役割分担している方 など、持続可能な体制を最初から考えてスタートする人が成功しやすい傾向があります。

「誰に、どこまでお願いできるか」を具体的に書き出してみることで、自分に向いている運営スタイルが見えてきます。


まとめ|始める前に、自分の“軸”を見つけよう

民泊を検討する前に、ぜひ次の3つをノートに書き出してみてください。

  1. なぜ自分は民泊をやりたいのか?
  2. どんな人に泊まってもらいたいのか?
  3. どこまで自分でやるか?外部の力を借りるか?

この3つを明確にしておくだけで、情報の取捨選択が格段にラクになります。

次回は、「民泊ってどれくらい稼げるの?」という誰もが気になるテーマを、収支モデルの実例を交えてご紹介します。


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📌 次回:「民泊ってどれくらい稼げるの?数字で見る収支のリアル」

▶ 参考リンク:国土交通省 観光庁 民泊制度ポータルサイト

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