民泊のホンネ⑩ 清掃を外注すれば品質は安定する?民泊のホンネ⑩ 清掃を外注すれば品質は安定する?

こんにちは、SAYAKAです。福岡市内で中古の一戸建てを購入し、民泊を運営しています。

民泊を始めたころ、清掃を専門の方にお願いすれば、客室はいつでも同じ状態に仕上がると思っていました。手順を伝え、必要な道具をそろえ、あとは任せれば大丈夫。私は予約管理やゲスト対応に集中できるはずでした。

ところが、実際の運営では「清掃を外注したこと」と「品質が安定したこと」は別でした。誰かを責めたいのではありません。基準を言葉にせず、確認の仕組みも用意していなかった私たち運営側にも、大きな原因がありました。

「きれいにしてください」では、同じ仕上がりにならない

最初のころは、清掃後の写真を見て安心していました。ベッドは整い、床にも目立つごみはありません。でも現地へ行くと、棚の上に薄くほこりが残っていたり、洗面台の水滴が乾いた跡があったり、予備のタオルが決めた枚数と違ったりしました。

清掃した方にとっては作業完了でも、私が期待していた状態とは少し違う。その理由は、私の頭の中にしか「完成形」がなかったからです。「きれい」「丁寧」「ホテルのように」という表現は、人によって基準が異なります。曖昧な依頼のままでは、担当者が変わるたびに仕上がりが揺れるのも当然でした。

清掃は見た目だけの問題ではない

住宅宿泊事業では、宿泊者の衛生を確保するため、届出住宅の定期的な清掃や換気などの措置が必要です。観光庁の民泊制度ポータルサイトでも、清掃と換気は住宅宿泊事業者の業務として示されています。

清掃の一部を専門業者へ依頼できる場合でも、私たちが確認を手放してよいわけではありません。業者へ任せる範囲、運営者が判断する範囲、異常を見つけたときの連絡先を分けなければ、汚れだけでなく、破損や設備不良、忘れ物の発見も遅れます。

特に一戸建ては、寝室や水回りだけでなく、玄関、階段、窓、庭、ごみ置き場まで確認箇所が広がります。毎回すべてを感覚で確認するのは無理があります。だからこそ、人の注意力だけに頼らない仕組みが必要でした。

私たちが作り直した清掃の基準

まず、清掃チェックリストを部屋別・作業順に変更しました。「洗面台を清掃」ではなく、「鏡に指紋がない」「排水口に髪がない」「蛇口に水滴跡がない」のように、完了状態を具体的に書きます。備品は収納場所と補充数を写真で示しました。

  • 入室直後に破損・忘れ物・強い臭いを確認する
  • 部屋ごとに作業し、最後に逆方向から見直す
  • 水回り、寝具、床、備品を同じ順番で確認する
  • 決めた位置から完了写真を撮影する
  • 不具合は清掃で直そうとせず、すぐ運営者へ報告する
  • 月に一度は運営者が現地で品質を確認する

写真も枚数を増やすだけでは不十分です。毎回同じ角度から撮れば、前回との違いに気づきやすくなります。反対に、写真に写りにくい臭い、湿気、エアコンの音などは、チェック項目として言葉で報告してもらいます。

外注は「丸投げ」ではなく、チームづくり

品質が揺れたとき、すぐに担当者を替えるだけでは、同じ問題が繰り返されます。こちらの指示が曖昧ではなかったか、作業時間に無理がなかったか、道具や洗剤は足りていたか、報告しにくい雰囲気を作っていなかったか。運営者側の設計も見直す必要があります。

清掃スタッフは、ゲストが入室する直前の宿を見てくれる大切な仲間です。現場で気づいた小さな変化を共有してもらい、こちらも改善結果を返す。そうした往復があって、初めて品質が安定していきます。

前回は、セルフチェックインでも最後に責任を持つのは運営者だと書きました。清掃も同じです。仕組みを使うことと、責任を手放すことは違います。

民泊のホンネ⑨「セルフチェックインなら、全部自動でいい?」

任せることと、確認しないことは違う。私たちも、誰が担当しても同じ安心を届けられるよう、基準と対話を少しずつ育てていきます。

参考資料

投稿者プロフィール

主宰:市山賢佑
主宰:市山賢佑