3階建て一戸建てで民泊はできる? 民泊のホンネ15 表紙

3階建てだから不可、ではありません

こんにちは、SAYAKAです。福岡市内で中古の一戸建てを購入し、民泊を運営しています。先日「3階建ての戸建てでも民泊はできますか」と聞かれました。答えは、できます。ただし、建物が3階建てという情報だけでは、営業できるかも改修費も決められません。

私なら最初に、3階をゲストが使うのか、寝室にするのか、それとも立ち入らない私用部分にするのかを決めます。同じ建物でも使い方で必要な安全措置が変わるからです。「3階建て」と「3階を宿泊に使う」を分けて考えるだけで、確認すべきことが見えてきます。

まず営業方法と、使う階を決める

福岡市の案内では、戸建てで宿泊サービスを行うには、旅館業法の許可か住宅宿泊事業法の届出が必要です。住宅宿泊事業は年間の宿泊日数が180日以内。年間を通して営業したいなら旅館業の許可を検討します。選ぶ制度が違えば、建築・消防・手続きの確認先も変わります。

住宅宿泊事業の安全措置では、宿泊者が使う部分を3階以上に設けないことが原則です。ただし、一律に3階を使えないわけではありません。福岡県の手引きには、耐火建築物の場合のほか、延べ面積が200㎡未満で、所定の警報設備を設け、階段など上下をつなぐ部分を壁や戸で区画する場合などの例外が示されています。

ここでの200㎡は、なんとなく「宿泊に使う部屋だけ」を測る数字ではありません。建物の延べ面積と、宿泊室・宿泊者使用部分の面積は別々に確認します。建物が小さくても、開放的なリビング階段などがあると、区画の工事が必要になる可能性があります。写真だけで判断せず、各階の平面図と現状を照らし合わせることが欠かせません。

消防設備は「小さい家だから簡単」と決めつけない

消防法令上の扱いも、家主が同居するか、宿泊室の広さ、何人・何組が泊まるかなどで変わります。自動火災報知設備、消火器、誘導灯などの要否や設置方法は、管轄の消防署に図面を見てもらって確認したいところです。市販の住宅用火災警報器を付ければ必ず足りる、とは考えない方が安全です。

3階建てでも、条件を満たせば簡易な方式の自動火災報知設備が認められる例はあります。ただ、その可否を「3階建てなら全部同じ」とは言えません。必要な設備だけでなく、避難経路が分かりやすいか、停電時にどう避難するかも確認します。宿泊者は家の間取りを知りません。私たちが迷わない階段でも、初めて来た人には違って見えます。

たとえば家主が同じ住宅に住み、宿泊室の合計が50㎡以下なら、住宅宿泊事業の一部の安全措置は適用されません。一方、家主不在で一棟を貸すなら同じ説明は使えません。ネットで見つけた「この設備で大丈夫」という事例を、そのまま自分の物件に当てはめるのは危険です。1階から3階までの使い方、避難口、間仕切りの有無を具体的に伝えて判断を受けます。

購入や改修の前に、図面で相談する

旅館業の許可で進める場合、福岡市では用途地域や建築基準法上の適合、消防の確認に加え、所定の事前協議が必要です。用途変更する部分が200㎡以下なら確認申請が不要な場合もありますが、それは建築基準法の基準を守らなくてよいという意味ではありません。制度ごとの「200㎡」を混同しないことも大切です。

私なら物件購入前に、各階平面図、延べ面積、検査済証の有無、階段や扉の状態、3階をどう使いたいかを一枚にまとめます。そのうえで建築士、管轄消防署、住宅宿泊事業なら福岡県、旅館業なら福岡市の担当窓口に相談します。改修の見積もりが出る前に「民泊にできるはず」と収支計算を確定させないためです。

3階建ての一戸建てにも、家族やグループがゆったり泊まれる魅力があります。でも、広さだけで選ばれる宿にはなりません。安全に使える範囲を確認し、その条件を正直に掲載し、無理のない運営を組み立てる。私が物件を考えるときも、そこから始めたいと思います。

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